Before (改善前)

写真のような孔の径を測定するゲージは、面が立っているとワークとの接触部にキズを付けてしまうので15°程度の面取り加工を行うのが一般的です。これにより挿入時の問題は解消されます。しかし、今回のようにφが50mm以上となっていると、測定時の姿勢が安定しないという問題あります。このような状態では、挿入しづらく非常に作業性が悪いです。

V

After (改善後)

径の大きさが大きいと安定しない理由として、重量が重く傾いてしまう、挿入部がスムーズに入っていかないという2点が問題点として挙げられます。そこで、当社では先端部分をR10 とする形状変更提案と、重量軽減の為に中心部を空洞化するという二つの対策をとりました。この際、空洞箇所がゲージの中心軸とずれていると測定が安定しない為、ゲージを製作する上では気を配らなければなりません。

POINT(要約)

ゲージの設計製作においては、測定時の作業性を考慮した設計変更提案が必要となります。こちらの製品のように孔径測定を行う場合には、ワークへの挿入時と測定している時の安定性が重要となります。写真のようにRを付ける、軽量化をするなどは、ゲージの設計製作における改善案の定番と言え、これらを考慮することで安定した測定と高い品質保証が可能となります。