Before (改善前)

写真のゲージは、複数の段付き孔加工を施したワークに対して、同軸度の測定を行う同軸度アーバーです。非常に一般的なゲージであると言え、ゲージメーカーでも規格品として様々な種類が提供されています。しかし、イラストのように製品精度が高い場合には、規格品ではゲージがうまき挿入できないといった問題が発生し、特にφ0.005㎜以下の精度を測定する場合には難しく、測定に時間がかかっていました。

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After (改善後)

こちらのような高い精度の同軸度アーバーの設計においては、①φ0.008㎜の逃がしをつけること、②先端部にR形状を付けることがポイントです。一つ目のΦ0.008の逃がしは、基準と測定側にφ0.004mmずつつけることがポイントであり、例えば、基準側はφ15.000→14.996に、測定側にはφ9.992→φ9.996とすると良いと言えます。2つ目のR形状は対象製品にキズを付けない為の加工となっています。

POINT(要約)

対象物に挿入して測定・検査をするゲージの設計製作においては測定時の挿入のしやすさなど作業性を考慮した設計製作がポイントとなります。今回のようにφ0.005mmと非常に高い精度が求められている同軸度アーバーの場合には、ワークにキズを付けずかつ正確な測定結果が得られるように作業性を考慮した設計が必要で今回のような提案は汎用性のある提案であると言えます。この変更により従来品と比較して、最大で50%以上の測定時間短縮に成功することも可能となっていますので、既存のゲージに対する変更提案を検討されてみると良いと言えます。