用語解説

傾斜度とは
傾斜度(
Angularity)とは、“データム直線またはデータム平面に対して、理論的に正確な角度を持つ幾何学的直線、または幾何学的平面からの理論的に正確な角度を持つべき直線形体、または平面形体の狂いの大きさ“と定義されます。傾斜度は、いわゆる“幾何公差”と呼ばれる測定項目の一つで、簡単に言うと、“ある面からの指定角度とズレがないかどうか”を測定しています。
角度と傾斜度は、同様という認識を持たれているかたも多いかと思いますが、、傾斜度で指示する領域は“指定角度からの”バラツキではなく、“指定角度周辺の空間内にあるかの”バラツキになります。

傾斜度の定義と測定方法
傾斜度測定を行う場合における測定方法について、紹介をいたします。
まずは、どのような場合に傾斜度指定が発生するのかという点について。
傾斜度というのは、下記のような場合に指定されることが多くなります。
①平面に対する傾斜度
②貫通穴に対する傾斜度

次に、これらの測定方法について紹介をいたします。
①、②の測定方法は大きくは違いはありません。どちらの場合も特定の面に対する当該測定箇所の“指定角度周辺の空間内に収まっているか”・そのバラツキは?というものを測定します。つまり、データム面の角度がキーポイントとなるのです。具体的な測定の進め方としては、下記の通りとなります。

①指定角度と同等の傾斜を持つ盤に対してデータム面を設置する。
②その面にワークを把持し、表面をダイヤルゲージなどでなぞる。
③数値の振れを測定し、ダイヤルゲージの振れ数値を結果とする。

ここまでの記載内容は、平面の傾斜度測定の内容となりますが、貫通穴の測定の場合には、当該の穴に対して、マンドレルを差し込み、そのマンドレル面状でダイヤルゲージを動かくすことにより数値の測定を行います。