用語解説

円筒度とは
円筒度とは円筒度(Cylindricity)とは”円筒形体の幾何学的に正しい円筒からの狂いの大きさ“と定義されています。円筒度というのは、いわゆる“幾何公差”と呼ばれる測定項目の一つで、簡単に言うと“円筒度とは、丸棒形状又は穴の真ん丸さを指定するもの”です。真円度(リンク)との違いとしては、長さがあるという点が挙げられます。端的に言うと、「ある一定長さの部分が真ん丸である」という意味です。円筒度はシャフト製品などの棒状の製品に見られる幾何公差です。

円筒度が指定される場合とは
円筒度測定というのは、先にも挙げた通り、シャフト形状では多く取り扱われる幾何公差となります。 円筒度指定のある製品はその多くが回転物となるもので、軸を中心に高速回転するものが多く、この円筒度が充分でないと製品としての機能を発揮することができないものがほとんどです。そのため、この円筒度というのは製品スペックを決める重要な幾何公差項目と言えます。

円筒度の測定方法
ここからは、実際に円筒度測定を行う場合における測定方法について、紹介をいたします。まずは、どのような場合に円筒度指定が発生するのかという点について。円筒度というのは、シャフト形状のいわゆる丸棒又は穴で指定されることが多い製品がほとんどです。製品同士のハメ合いを考慮した中で、円筒度が製品図面に明記されることが有りますが、実際には「全振れ↗」で表記され、代用されることが非常に多い、幾何公差であるといえます。次に、この円筒度をいかに測定するのかについてご紹介します。
円筒度測定には、以下の2つの測定方法があります。
①:V字ブロック測定測定方法
②:箱定盤これらの違いについて、簡単にご説明をします。

①のV字ブロックでの測定法というのは、(i)1回転させ軸と直角方向の差を測定 (ii)必要数(箇所)の断面で繰り返す測定方法です。
②の箱定盤での測定は、(i)1回転回して直径の変化を測定 (ii)必要箇所の断面で繰り返す測定方法です。この円筒度測定は、真円度測定と実は概念としては同じです。
しかし、円筒度は“指定がある長さ部分“がまんまるである必要があるため、測定子の可動域などの面で、真円度とは測定が異なっています。もちろん、円筒度測定を行う特注ゲージを製作するほうが設計・加工の両面でノウハウが必要となります。

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