用語解説

対称度とは
対称度とは、“データム軸直線又はデータム中心平面に関して互いに対称であるべき形体の対称位置からの狂いの大きさ“と定義されています。つまり、対称度とは、“ある2つの面に対してその中心位置が、数値内に収まっているかどうかを指定するもの”です。対称度の測定方法は、平行度と似たようなものになりますが、異なる点として、2つの面から中心位置がどの程度ズレているのかを見ているので、平行度のように、「2つの面が互いの面に対してズレているか」を見るよりも精度が求められ、要求精度としては、高いレベルの幾何公差であるといえます。当社の場合では、カバー部品などにおいて、対称度の測定を求められることが多く、対称度測定を行う為の専用ゲージの設計・製作実績も多数あります。

対称度の測定方法
対称度は、ブロック形状・平面形状の製品に加工(穴・溝など)がなされている場合に、図面指示がなされ、測定が必要となる幾何公差です。具体的な測定を行う上では、製品の形状により測定方法に若干の差異があります。
例えば、
1):溝位置の対称度を測定の場合
この測定は非常にシンプルでデータム中心平面Aに対し、対称に置かれた溝幅の平行2平面に溝の中心平面があればよい。ということになります。その為、特注ゲージを設計する場合にも、3次元測定機を用いて測定をする場合においても、データムAを基準面として把持できれば測定が可能となる幾何公差です。

2):溝とボスがデータム時の穴位置の対称度を測定する場合
この測定は、データム指示が2つあり、どちらも基準面としてとりつつ測定を行う必要があるため、測定の難易度が高い幾何公差指示と言えます。考え方としては、溝の中心とボスの中心線上から規格の幅の中に穴の中心があればよく、真円度などの測定項目との併用で指示される場合もある幾何公差となります。このような測定の場合には当社のゲージが有益であるといえます。